1 はじめに

 平成10年7月、佐賀県の空の玄関口である有明佐賀空港が開港した。佐賀県民が待望した空港建設には四半世紀を要した。この有明佐賀空港を含む佐賀空港地区の開発ポテンシャルは非常に大きなものがある。
 この佐賀空港地区は九州の人口・経済の重心に位置するという立地条件にあり、周辺には広大な農地と多くの河川があるということから臨空地域としての開発可能性は極めて大きいものがある。また極めて安定した気象条件のもとで、滑走路の延長は容易であり、安価な建設コストによる空港の拡張や国際空港化の際の費用対経済効果は大きく、九州経済全体の活性化を図るための経済性や経済波及効果等の開発に伴う経済的優位性は特筆すべきものがある。
 一方、佐賀空港地区の周辺には、古くから九州の経済の中心として佐賀平野と筑紫平野からなる大筑紫経済圏が広がっている。
 そこで、大筑紫経済圏の経済的・社会的潜在力を背景として、有明佐賀空港を含めた佐賀空港地区の将来展開構想を考察することとする。

 

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